キーンベック病は、手首の中央にある月状骨（げつじょうこつ）という骨が壊死（えし）、扁平化する疾患で、月状軟骨軟化症とも呼ばれます。月状骨は、手首を構成する8つの骨の1つであり、手首の動きに重要な役割を果たしています。

この病気は、特に働き盛りの若年層に多く見られ、慢性的な手首の痛みや可動域の制限を引き起こすことが特徴です。柔道整復師として、この病気は早期発見が非常に重要であり、患者様の手首の健康を守るためにも、症状が出たら早めに対処することが求められます。

キーンベック病の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。その一つが、月状骨への血流不足です。血液が十分に供給されないことで、骨が弱り、最終的に壊死に至ります。手首への繰り返しの外傷や衝撃、過度の負荷も要因として考えられます。

特に手首を酷使する仕事やスポーツに従事している方は、リスクが高いと言われています。また、月状骨の形状や手首の骨の配列に個人差があり、これも発症に影響を与える可能性があります。

初期のキーンベック病では、手首の軽度な痛みや不快感が現れます。痛みは初めは断続的ですが、病気が進行するにつれて持続的な痛みに変わり、手首を使う動作が困難になることがあります。

また、手首の可動域が制限され、腫れやこわばり、握力低下も見られることがあります。進行した場合、月状骨が壊死して扁平化が起こり、関節炎のような症状が現れることもあります。
この病気の大きなリスクは、適切な治療を行わなかった場合、手首の機能が永久的に失われる可能性があることです。後遺症としては、手首の慢性的な痛みや、関節が固まってしまう「拘縮」（こうしゅく）状態が挙げられます。これにより、日常生活の中で手首を使う動作が難しくなり、仕事やスポーツに支障をきたすこともあります。

キーンベック病の治療法は、病気の進行度や患者様の年齢、生活スタイルによって異なります。初期の段階では、手首を安静に保ち、装具を使用して固定することで、痛みを軽減し、病気の進行を防ぐことが期待されます。

柔道整復師としても、この段階での適切な固定は非常に重要であると考えます。
病気が進行している場合、手術が必要になることもあります。手術の方法には、血流を改善するための骨移植や、手首の骨の配列を整える関節手術などがあります。これにより、月状骨の壊死が進行するのを防ぎ、手首の機能を回復させることが目指されます。

予防の観点からは、手首を酷使しないことが基本です。スポーツや作業で手首に負担がかかる場合は、適切な休憩やサポーターを使用して手首を守りましょう。異常を感じた際は早めに相談し、早期発見、進行を予防することが大切です。万が一の時はお早めに名古屋市緑区の小島接骨院へご連絡ください。

Ｑ＆Ａ

Q1. キーンベック病はどのような人に多いですか？
A1. キーンベック病は、特に手首を頻繁に使う職業やスポーツをしている人に多く見られます。例えば、建設作業や製造業で働く方や、テニスやゴルフなど手首に負担がかかるスポーツをしている方がリスクが高いとされています。また、20代から40代の働き盛りの男性に多い傾向があります。

Q2. キーンベック病は自然に治りますか？
A2. 残念ながら、キーンベック病は自然に治ることはほとんどありません。早期に発見し、適切な治療を行うことで進行を遅らせたり、痛みを軽減することが可能ですが、放置すると手首の機能が失われるリスクがあります。治療には手首の固定や手術が必要な場合がありますので、早めの対応が重要です。